Claude Code Projectsとは​ ──AIが​仕事を​割り振る​新機能と、​利用枠を​使いすぎないための​初期設定の​見直し方

Claude Code に、指揮役のAIが並列の作業スレッドに仕事を振る「Projects」がベータで加わりました。初期設定は利用枠を最も速く使う側に寄っています。仕組みと、使う前に見直したい設定を公式ドキュメントから整理します。

甲斐ショウジ甲斐ショウジ
CAG主宰/合同会社ATK CAIO(最高AI責任者)
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技術Claude Code Projectsとは ──AIが仕事を割り振る新機能と、利用枠を使いすぎないための初期設定の見直し方

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2026年9月17日、AnthropicはClaude Codeの「Projects」を作り直してベータ版で公開しました[1]。1つの会話に仕事を投げると、指揮役のClaudeが作業を分け、クラウド上で並列に動く「スレッド」に振り、結果をまとめて返します

先に結論です。便利さの代わりに、初期設定が「利用枠を最も速く使う側」に寄っています。全スレッドが最上位モデルの高い努力度で動き、利用枠を使い切っても自動で待って再開し、「同時に2本まで」と頼んでもそれは上限になりません。

この記事で分かること:

  1. Projectsとは何か
  2. どう動くのか(指揮役とスレッド)
  3. 何もしなかったら何が起きるか
  4. 利用枠を守る設定と、止め方
  5. 9月10日に出た Cursor Projects との違い
左の1本の会話から、右に並んだ3本の作業レーンへ線が伸び、それぞれが並行して作業している開発ツールの画面
1本の会話が、並列に動く作業スレッドに仕事を振る(イメージ)

01 Claude Code Projectsとは

これまでClaude Codeで複数の作業を並行させるには、人が作業を分け、セッションごとに同じ前提を説明し、どれが終わったかを見て回る必要がありました。Projectsは、その「見て回る役」をClaudeに任せる仕組みです[2]

部品役割
プロジェクトの会話指揮役のClaudeがいる1本の長い会話。依頼を受け、どれを新しいスレッドにするか決める
スレッド実際に作業する担当。1本ずつが独立したクラウドセッションで、自分のブランチで作業し、必要ならプルリクエスト(コード変更の提案)を出す
Overviewスレッドの状態を一覧する画面。「レビュー待ち」「あなたの返事待ち」「作業中」などに分かれる
メモリ「リリースは金曜に変更」のような決定事項を、以後のスレッド全部が読む
Library追加したファイルと、スレッドが作ったファイルの置き場
HOW A PROJECT IS ORGANIZED あなた プロジェクトの会話 指揮役のClaude スレッドの報告だけを見る スレッドA:ブランチ → PR スレッドB:ブランチ → PR スレッドC:調査 → ファイル Overview レビュー待ち あなたの返事待ち 作業中 全スレッドの共通の前提:リポジトリ、プロジェクトの指示文、メモリ、コネクタ、クラウド環境
人が話すのは1本の会話だけ。スレッドを立てて追いかけるのは指揮役のClaude

公式ブログの例は、「決済画面の応答速度を改善する」という目標を置き、各エンドポイントの計測・改善・プルリクエスト作成を並列スレッドで進めさせる、というものです[1]。コード以外にも、契約書フォルダや問い合わせの書き出しを読ませて「よくある連携ミスを10件挙げて」と頼むような使い方が挙がっています[2]

使える範囲はまだ狭く、ベータ版はPro・Maxのうち、Claude Codeのクラウドセッションを使ったことがあり、claude.ai側に既存のプロジェクトを持っていない人から順に配られています。Team・Enterpriseはまだ対象外で、配られていない人は待機リストに登録できます[1][2]。使えるのはWeb(claude.ai/code)、デスクトップアプリ、スマホアプリで、ターミナルのCLIや、Amazon Bedrockなどのクラウド経由では使えません。プロジェクトは1人のもので他の人と共有できず、ベータ期間中は組織としての管理機能もありません[2]

02 どう​動くのか

各スレッドは、Anthropicのクラウド上で動くClaude Codeのセッションです[2]。PCを閉じても作業は続き、スマホから様子を見て指示を出せます。

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スレッドが最初から持っているもの:

  • プロジェクトに追加したGitHubリポジトリ、アップロードしたファイル
  • 各リポジトリの CLAUDE.md(AIへの作業ルールを書いたファイル)、スキル、プラグイン
  • claude.aiアカウントに接続したコネクタ(外部サービスとの接続)
  • クラウド環境(通信できる宛先、環境変数、インストール済みの道具)

逆に、手元のPCにだけ入れた設定や道具は、スレッドには届きません[2]。社内VPNの奥にあるAPIやローカルのデータベースを使う作業は、今のところ向いていません(手元での実行は「近日対応」とされています[1])。

コードを変える作業では、スレッドは既定で次のように動きます[2]

  • 既定ブランチから新しいブランチを切って作業する
  • プルリクエストを出したら、CIが落ちれば直し、レビューコメントに対応する「自動修正」が必ずONになる(他のクラウドセッションの設定に関係なく)
  • 多くの操作を確認なしで実行する「自動モード」で動く
Overviewパネル。レビュー待ち、あなたの返事待ち、作業中の3つのグループに作業スレッドが分かれて並んでいる
Overviewでは、スレッドが「レビュー待ち」「返事待ち」「作業中」に分かれて並ぶ(イメージ)

向かない仕事も公式が挙げています[2]。1回のセッションで終わる作業、手元のPCでしか届かない道具が要る作業、会話の要らない定期作業(これは「ルーティン」機能のほうが合う)、チームで一緒に指示を出す作業(Slackで使う Claude Tag のほうが合う)です。

03 ​何もしなかったら​何が​起きるか

Projectsのドキュメントには、利用枠(プランごとに決まっている使用量の上限)に関わる記述が散らばっています。初期設定のまま使うとどうなるかを並べました[2]

項目初期設定・既定の動き何が起きるか
スレッドのモデル全スレッドが Opus・努力度 high公式も「最も速く利用枠を使う」と書いている
最初のプロジェクト作成直後に、こちらが何も送らなくてもClaudeが1ターン動くその分も利用枠を使う
おすすめ設定Claudeが出す「追加するリポジトリ」「作る定期作業」は全部ONの状態で出るそのまま「更新」を押すと全部入る
同時に動くスレッド数固定の上限なし。会話で「2本まで」と頼んでも希望であって上限ではないシステムで決まっている上限は「1日200スレッドまでの新規作成」だけ
待機中のスレッドプルリクエストを見張り続けるCIが落ちたりレビューコメントが付いたりすると起きて、また利用枠を使う
利用枠を使い切ったとき止まらずに待ち、枠が回復したら自動で再開する放っておくと次の利用枠を勝手に使い始める
追加の利用クレジット自分でONにしていなければ使われない請求が青天井になることはない(スレッドがONにすることもできない)
WHEN THE USAGE LIMIT IS HIT 今の利用枠 使い切った 待つ(Service is busy) 次の利用枠 自動で再開 メッセージを送らなくても、次の枠を使い始める 例外:定期作業(ルーティン)から始まったスレッドは待たず、エラーで止まる 止めたいとき スレッドの「Stop」、またはプロジェクトの「一時停止(Pause)」で、全スレッドをまとめて止める
利用枠を使い切っても、作業は止まらずに待つ。回復した瞬間に次の枠を使い始める

表の中で見落としやすいのは、「頼んだこと」と「効く設定」の違いです。会話で伝えた「2本まで」「PRは見せてから」はClaudeがメモリに保存して守ろうとしますが、強制ではありません。公式は、言葉どおりに全スレッドへ最初から効かせたいならプロジェクトの指示文(最大16,000字)に書くよう勧めています[2]

安全のための設定が、リポジトリの数で変わる

各リポジトリの設定リポジトリが1つのとき複数のとき
CLAUDE.md読み込まれる全リポジトリ分が読み込まれる
スキル、エージェント、コマンド読み込まれる全リポジトリ分が読み込まれる
権限ルール、フック、環境変数(.claude/settings.json効く効かない
ONE REPO / SEVERAL REPOS 各リポジトリの設定 1つ 2つ以上 CLAUDE.md、スキル 読み込む 読み込む 権限ルール、フック、環境変数 効く 効かない 2つ以上つなぐなら、ルールはプロジェクトの指示文へ、環境変数はクラウド環境の設定へ移す
リポジトリを2つ以上つないだ時点で、リポジトリ側に書いた「実行させない」ルールや検査が効かなくなる

「このコマンドは実行させない」という権限ルールや、変更のたびに走らせる検査(フック)をリポジトリ側に書いて運用しているチームは、リポジトリを2つ以上つないだ時点でそれが効かなくなります[2]。複数リポジトリの場合は、ルールをプロジェクトの指示文に、環境変数をクラウド環境の設定に移す必要があります。

04 利用枠を​守る​設定と、​止め方

使い始める前に見直す設定(Project settings > General)

  • スレッドのモデルと努力度:軽い作業なら小さいモデルや低い努力度に下げる
  • 指揮役(会話)のモデルと努力度:初期値は Opus・努力度 low
  • 最初の依頼の前に「スレッドは提案だけして、私の了承を待って」と伝える
プロジェクト設定画面。スレッドのモデルと努力度の選択欄、一時停止ボタン、スレッドごとの利用量のグラフが並んでいる
スレッドのモデルと努力度、スレッドごとの利用量、一時停止は同じ設定画面にある(イメージ)

使っている間に効く習慣[2]

  • 1時間以上放置したスレッドに続きを頼むと、それまでの会話を全部読み直してから動く(Pro・Maxのキャッシュ保持は1時間)。新しい作業は新しいスレッドで始めたほうが安く済むことがある
  • 作業を終えたスレッドには「プルリクエストの見張りをやめて」と頼む
  • 長い作業では「こまめにコミットしてpushして」と頼む。スレッドの作業環境は休止と再開を繰り返し、再開できないとまっさらな状態からやり直すため、コミットしていない変更は消えることがある

止め方は3段階あります[2]

操作何が止まるか戻せるか
一時停止(Pause)全スレッドと会話を中断。新しいスレッドも定期作業も動かない「再開」で戻る
アーカイブサイドバーから隠し、スレッドもアーカイブ。PRの見張りも止まる戻せる(スレッドは1本ずつ戻す)
削除プロジェクト、スレッド、メモリ、ファイルを完全に消す戻せない(GitHubに出したブランチとPRは残る)

05 9月10日の​Cursor Projectsとの​違い

1週間前、コード編集ツールの Cursor も同じ名前・ほぼ同じ形の機能を出しています[3]。公式発表どうしを並べると次のとおりです。

項目Claude Code ProjectsCursor Projects
発表2026年9月17日・ベータ2026年9月10日・ベータ
提供範囲Pro・Maxの一部から順に。Team・Enterpriseはまだ「全ユーザーへ本日から順次」
指揮役会話の中のClaudeが作業を振る自分ではコードを書かない指揮役エージェント
実行場所クラウドのみ(手元は近日対応)クラウド。手元で試す必要があるときは手元のエージェントを起動
自動で動くきっかけ定期作業(ルーティン)、PRのCI失敗やレビューコメントSlackチャンネルの監視、スケジュール、全PRの追跡
利用量の説明ドキュメントに1節あり(上限、自動再開、減らし方)発表記事には記載なし[4]

どちらも「人がいない間も動き続ける」ことを売りにしています。その分、止める条件と費用の見え方は、発表記事の外で確かめる必要があります。

06 使う​前の​チェックリスト

  • スレッドのモデルと努力度を、作業に見合ったものに下げた
  • 最初の依頼の前に「提案だけして了承を待つ」「同時に何本まで」を伝えた(強く効かせたいルールはプロジェクトの指示文に書いた)
  • おすすめ設定は、全部ONのまま受け入れず1つずつ確認した
  • リポジトリを2つ以上つなぐなら、リポジトリ側の権限ルールとフックが効かなくなることを踏まえ、指示文と環境設定に移した
  • 終わったスレッドのPR見張りを止める、長い作業はこまめにpushさせる、を習慣にした
  • 夜間に放置するときは、利用枠を使い切っても次の枠で自動再開することを踏まえ、必要なら一時停止した

人が見ていない間も動くものは、止める方法から先に覚えておく。

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出典・注記

  1. Anthropic「Projects redesigned: from folder to conversation」2026年9月17日。https://claude.com/blog/projects-redesigned
  2. Claude Code Docs「Let Claude coordinate ongoing work with Projects」(2026年9月18日閲覧)。https://code.claude.com/docs/en/claude-projects
  3. Cursor「Cursor Projects」2026年9月10日。https://cursor.com/changelog/projects
  4. 2026年9月18日に Cursor の changelog 記事本文を確認した範囲。料金や利用量の扱いは別のページにある可能性がある。

本記事はCAGの実機検証ではなく、2026年9月18日時点の公式ブログと公式ドキュメントをもとにしています(CAG未検証)。ベータ版のため、提供範囲や初期設定は変わる可能性があります。

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