OpenAIは2026年10月26日、画像や画面の理解、コンピューター操作、文章作成を得意とする「GPT-6.1 Terra」を公開しました。[1] 請求書の内容を読み、必要な項目を業務ソフトに入力するといった、日々繰り返す仕事への利用を想定したモデルです。[2]
導入で考えたいのは、どの仕事を任せ、どこで人が結果を確認するかです。この記事では、Terraの特徴、業務への当てはめ方、料金、利用条件、Sol・Astra・Lunaとの使い分けを整理します。仕様は2026-10-27時点の公式資料に基づき、業務例は設計例として示します。CAGではTerraのモデル実行、日本語品質、処理時間、実請求額を検証していません。

01 GPT-6.1 Terraとは──画面を読み、操作につなぐモデル
Terraの特徴は、文章だけで指示を理解する用途に加えて、画像やアプリの画面を読み取る仕事を想定していることです。公式モデル仕様は、商品写真と商品台帳の照合、技術図面の解釈、アプリ画面上の操作、文章の作成・修正を用途に挙げています。[2]
| 項目 | 公式モデル仕様の内容 |
|---|---|
| 入力 | テキスト・画像 |
| 出力 | テキスト |
| 直接の音声・動画入力 | 非対応 |
| 想定用途 | 画像の照合、画面操作、文章の作成・修正など |
ここで、画面を理解できることと、実際にアプリを操作できることは分けて考える必要があります。 APIで使う場合は、クリックや入力を実行するブラウザなどの道具をアプリケーション側につなぎます。モデルが選んだ操作を道具が実行し、その後の画面をモデルに返す、という往復で作業が進みます。モデル名を切り替えるだけで、会計ソフトへの接続まで完成するわけではありません。[4]
OpenAIは、画面操作や視覚理解などの評価で旧Terraからの改善を公表しています。[2] ただし、評価用の課題で得られた結果から、自社の入力画面や日本語の請求書でも同じ正確さ・速さになるとは判断できません。入力資料、道具、確認方法を揃えて比べる必要があります。
02 任せやすい仕事と、人が確認する場面
最初の対象には、入力資料と完成形をはっきり示せる仕事が向いています。以下は、公式の用途を踏まえた業務への当てはめ方です。Terraを使ってCAGが実演した結果ではありません。
| 仕事の設計例 | AIに任せる部分 | 人が確認する部分 |
|---|---|---|
| 請求書の転記 | 取引先名・日付・金額を読み、入力案を作る | 原本と金額・振込先を照合し、確定操作を判断する |
| 商品写真の照合 | 写真と商品台帳を比べ、候補を絞る | 型番・仕様の差と、判別できなかった項目を確かめる |
| 提案書の修正 | 渡した材料に沿って文章や構成を整える | 固有名詞・数値・顧客への約束を確認する |
たとえば請求書の転記なら、最初に処理対象の範囲を決めます。「このフォルダの請求書から、取引先名・請求日・税込金額を下書きに入力する。読めない箇所は推測せず残す。支払いは確定しない」といった依頼です。作業の終点と、AIに任せる権限を一緒に決めると、確認する場所も明確になります。
そのうえで、AIの「完了しました」という返事に加えて、保存された記録を開いて原本と照合します。 正しい画面に見えても、保存されていなかったり、別の取引先の行に入っていたりする可能性は残るからです。OpenAIのモデル選択ガイドも、画面操作では保存結果と完了報告の正確さを確認するよう勧めています。[8]
公式のcomputer useガイドは、隔離した実行環境や、重要な操作に人の確認を入れる設計を案内しています。[4] 実務では、下書きまでをAIに任せ、支払い確定・外部への送信・取り消しにくい変更の前に人が判断する線を引くと、試す範囲を限定できます。
03 料金はいくらか──単価と仕事1件の費用を分ける
2026-10-27時点の標準API料金は、100万トークンあたり入力1ドル、キャッシュからの読み取り0.05ドル、出力5ドルです。トークンは、AIが文章などを処理するときの課金単位です。日本語の文字数とそのまま一致するものではありません。[3]
| 課金する項目 | 入力が272K以下の標準料金 | 入力が272K超の標準料金 |
|---|---|---|
| 通常の入力 | 1ドル | 2ドル |
| キャッシュ読み取り | 0.05ドル | 0.10ドル |
| 30分保持のキャッシュ書き込み | 1.25ドル | 2.50ドル |
| 12時間保持のキャッシュ書き込み | 2.50ドル | 5ドル |
| 出力 | 5ドル | 7.50ドル |
横にスクロールして、入力の長さごとの単価を比較できます。
表はすべて100万トークンあたりの米ドル表示です。272Kは272,000入力トークンを指します。しきい値を超えると、超過した部分だけでなく、リクエスト全体に長い入力向けの料金が適用されます。キャッシュの読み取りと書き込みも別の課金です。[3]
単純な例として、キャッシュを使わず、1回の標準リクエストで入力10,000トークン、課金対象の出力2,000トークンを使ったとします。入力0.01ドルと出力0.01ドルで、トークン料金は合計0.02ドルになります。これは上記単価から計算した例で、Terraを実行して得た請求額ではありません。
画面操作では、途中の画面を何度も送り、必要に応じて操作をやり直します。道具の利用料、実行環境の費用、人が確認・修正する時間も加わります。Fastモードなどの実行条件でも単価は変わります。[3] 比べたいのは、同じ仕事を受け入れられる状態まで終える費用です。1回の生成単価だけで採算を決めないほうが、導入後の見積りと実績を合わせやすくなります。
ChatGPT WorkやCodexの契約に含まれる利用枠と、OpenAI APIの従量課金も別です。APIの単価表を、そのまま月額プラン内の作業回数に換算することはできません。
04 どこで使えるか──プランと道具の接続を確認する
OpenAIの発表は、ChatGPT WorkとCodexのPlus・Pro・Enterprise・Edu利用者、およびOpenAI APIでの提供を案内しています。[2] 実際に選べるモデルや設定は、利用する製品・契約・管理者の設定を確認します。Codex CLIでTerraを使う場合は、公式文書で0.159.0以降が必要とされています。[5]
APIのモデル名は gpt-6.1-terra です。文章の生成などにはChat CompletionsとResponsesの両方が対応していますが、道具を呼び出す場合はResponses APIが必要です。[2] Responses APIは、モデルの回答と道具の呼び出しを組み合わせて扱うためのAPIです。画面操作を行わせるアプリでは、操作用の道具、ログイン、触ってよい範囲、結果の記録を合わせて用意します。
日本はOpenAI APIの対応国・地域に含まれています。[6] ただし、日本から接続できることと、日本語の帳票を正確に処理できることは別の確認事項です。自社で使う資料、読みにくい数字、似た商品名などを含めて試します。今回の記事では、国内アカウントのモデル一覧や申込・決済画面は実機確認していません。
GitHub CopilotでもTerraの一般提供が告知されていますが、公式案内は段階的な展開と、Business・Enterpriseの管理者によるモデル制御を明記しています。[7] 契約しているだけで、すべての画面ですぐ選べるとは限りません。
05 Sol・Astra・Lunaとどう使い分けるか
OpenAIのモデル選択ガイドは、Terraを結果が明確な画面操作、材料に基づく簡潔な文章、範囲を絞ったコード修正の候補にしています。Solは複雑な制作や開発、Astraは高い能力を優先する課題、Lunaは費用や待ち時間を抑えたい仕事の候補です。[8]
| モデル | 最初に試す仕事 | 比較で確かめること |
|---|---|---|
| GPT-6.1 Terra | 画面・画像を使う日常業務、条件が明確な修正 | 保存結果の正確さ、確認と修正の手間 |
| GPT-6.1 Sol | 条件の多い開発、資料やWebサイトの制作 | 複数の条件を満たせるか、完成までの費用 |
| GPT-6 Astra | 曖昧さや難しさが大きく、品質を優先する仕事 | 判断の質、抜けや矛盾、完成物の適合度 |
| GPT-6 Luna | 対象を絞った分類・抽出、繰り返す処理 | 必要な正確さを、短い時間と低い費用で満たすか |
これは固定的な順位表ではありません。まずは実際の資料と、合格の条件を揃えるところから始めます。請求書なら、正しい値だけでなく「金額が読めない」「取引先候補が複数ある」「保存に失敗する」といった場合に、推測で進めず適切に止まれるかも確認します。
その条件でTerraと別のモデルを比べ、品質、日本語の扱い、完了までの時間、再試行、実費を記録します。推論に使う強さを比べるときも、まず同じ設定で測り、モデルの違いと設定の違いを分けます。[8] 最初は一つの業務に絞り、人が確認できる下書きまで任せる。そこで確認の手間まで減るかを見れば、Terraを自社の仕事に組み込む判断がしやすくなります。

出典・確認範囲
- OpenAI API Changelog。2026-10-26のGPT-6.1 Terraリリース項目を確認。発見元の掲示板投稿日ではなく、一次の更新日を採用。
- OpenAI公式発表と公式モデル仕様。用途、提供場所、入出力、対応API・道具を確認。性能・速度は提供元の評価で、CAGの再現実験ではありません。
- OpenAI API料金表とTerraの料金条件。標準料金、272Kを境にした長い入力の課金、キャッシュの読み書き・保持時間を確認。0.02ドルは本文の仮定に基づく計算例。2026-10-27時点。
- OpenAI computer useガイド。画面を確認しながら道具で操作する仕組みと、隔離環境・重要な操作への人の関与などの設計上の注意。本文の業務フローは設計例です。
- OpenAIのモデル利用案内。製品・利用枠による違い、Codex CLIでTerraを使うための0.159.0以降という条件を確認。2026-10-27取得。
- OpenAI APIの対応国・地域。Japanの掲載を確認。国内での日本語品質、申込・決済、個別アカウントの提供状況の実測は含みません。
- GitHub CopilotでのTerra提供告知。2026-10-26公開。段階展開と組織管理者によるモデル制御の条件を確認。
- OpenAIのモデル選択ガイドとGPT-6ガイド。用途別の選択、同じ入力・推論設定での比較、保存結果や完了報告の照合を確認。2026-10-27取得。









