2026年10月23日、Moonshot AIの新モデル「Kimi K3.1 Pro」がKimi Codeで提供開始となりました。公式発表では、KimiのWeb・アプリ、業務用のKimi Work、APIでも利用できると案内されています。長い資料を読むだけでなく、調査・コード修正・3D制作など、複数の手順をつなぐ仕事の改善を打ち出したモデルです。[1][2]
試す前に確認したいのは、通常版と高速版の料金、長い入力を扱えるプラン、仕事の結果を人が確かめる手順です。 最大100万トークンという仕様も、Kimi Codeでは契約によって使える範囲が変わります。[3]
この記事では、①何が新しいのか、②どんな仕事を試すとよいか、③使える経路とプラン、④通常版と高速版の費用、⑤導入前の確認事項を整理します。仕様・料金は2026-10-24時点の公式情報です。CAGは今回、モデルの実行、日本語精度、応答速度、実際の請求額を検証していません。

01 K3から何が変わったのか
Kimi K3.1 Proは、既存のKimi K3に追加の学習を施したモデルです。公式は、コードを書く力に加え、3D制作、財務資料の調査、複数段階の作業を続ける能力が向上したと説明しています。同時に、同じ能力で応答を速める「Kimi K3.1 Pro Highspeed」も発表しました。[1]
コンテキストとは、AIが一度に参照できる情報の枠です。K3.1 Proは最大約100万トークンに対応します。トークンは文章を処理する単位で、日本語の文字数や資料のページ数とは一致しません。長い仕様書と議事録を一緒に渡す、といった使い方を考えるための容量です。[3][6]
入力できる容量と、内容を正しく読み取れることは別に確かめます。 情報を多く渡せても、根拠の取り違えや計算の誤りが無くなる保証にはなりません。採用を決めるときは、必要な箇所を引用させ、元の資料と照合できる形で試すのが実務的です。
提供時期にも区別があります。サービスとAPIは利用可能ですが、モデルの重みは2026年11月4日までに公開予定です。重みとはAIの学習済みデータで、自社の設備で動かすために必要なものです。現時点で「ダウンロードして社内運用できる」とは扱いません。[1]
02 どんな仕事から試すとよいか
公式の紹介には、Webページの制作、ゲームや3Dモデルの作成、財務資料の分析などの事例があります。これらは開発元が示した能力・作例です。日本の会社の資料でも同じ品質になるかは、自分たちの仕事で確かめる必要があります。[1]
経営者や事業責任者が試すなら、成果物と確認方法を先に決めると比較しやすくなります。次は公式の用途を業務へ置き換えたCAGの試し方の提案で、導入実績や動作保証ではありません。
| 試す仕事 | 渡す材料と求める成果物 | 人が確かめる点 |
|---|---|---|
| 複数資料の調査 | 公開資料を渡し、出典付きの比較表を作る | 引用元、対象期間、抜けた条件 |
| 社内ツールの改修 | テスト用のコードと仕様から修正案を作る | 変更内容、テスト結果、権限の範囲 |
| 商品・空間の3D案 | 公開できるラフや寸法から編集可能な案を作る | 寸法、形状、出力形式、利用条件 |
| 表計算の下準備 | 架空の売上データから集計表と計算式を作る | 数式、単位、参照範囲、合計の一致 |
たとえば比較表なら、「結論だけでなく、根拠にした資料名と該当箇所を各行に付ける」と依頼します。表計算なら、正解の合計を用意して一致を見ます。速く返ってきたかに加え、確認と修正を終えるまでの手間を記録すると、今の道具から替える理由が見えてきます。
最初の材料には、公開情報や架空データを使えます。機密資料や顧客情報を渡す判断は、契約経路の保存・利用条件と社内ルールを確認してから行います。作業を実行するAIには、試験用のフォルダや環境を用意し、送信・公開・本番データの変更を許す範囲も先に決めておきます。
03 どこで使えるか──プランと入力上限
使う入口は、会話するKimi、資料などの仕事を進めるKimi Work、開発向けのKimi Code、アプリに組み込むKimi APIに分かれます。同じモデル名でも、契約と利用枠が共通とは限りません。公式のAPI料金説明は、APIの従量課金をKimi会員・Kimi Codeとは別の製品として扱っています。[1][6]
特にKimi Codeでは、「K3.1 Proを選べる」と「最大100万トークンを使える」を分けて見る必要があります。次はKimi Codeの公式資料にある条件です。会話用KimiやKimi Workの全プランに、この表をそのまま当てはめるものではありません。[3][4]
| Kimi Codeの契約 | K3.1 Pro | 最大約100万トークン | K3.1 Pro Highspeed |
|---|---|---|---|
| 新プラン Plus | 利用可。入力枠は最大262,144トークン | 対象外 | 対象外 |
| 新プラン Pro以上 | 利用可 | 利用可 | 利用可 |
| 旧プラン Moderato | 利用可。入力枠は最大262,144トークン | 対象外 | 対象外 |
| 旧プラン Allegretto以上 | 利用可 | 利用可 | 利用可 |
公式の会員説明では、新プランにも短時間の利用制限と月間の総利用枠があります。旧プランには週単位の枠も残ります。月額契約は無制限利用を意味しません。 高速版は通常版の約2倍の利用枠を消費するため、待ち時間と残り枠の両方を見て選びます。[3][4]
設定時にも小さな違いがあります。従量課金APIのモデルIDは kimi-k3.1-pro、Kimi Code側は k3.1-pro です。IDはツールがモデルを選ぶための識別名です。既存ツールへ接続する場合は、使う契約の公式手順を担当者に確認してもらいます。[7][8]
Kimi Codeの案内では、K3.1 Proは考える処理を有効にして使う必要があり、無効にした要求は拒否されます。また、旧モデルを使っていた会話の途中で切り替えるより、新しい会話を始めることが推奨されています。既存設定のモデル名だけ替えて済むとは考えないほうがよいでしょう。[3]
04 通常版と高速版の料金を比べる
Highspeedは、公式資料では通常版と同じ能力を保ち、約2〜3倍の速度を出す版とされています。これは開発元の説明で、CAGの実測値ではありません。資料を読み込む時間や、外部の検索・計算を待つ時間まで含めた仕事全体が、同じ倍率で終わるとは限りません。[2][3]
国際版のKimi APIプラットフォームには、次の米ドル単価が掲載されています。100万トークンあたり・税別の単価で、月額会員の料金ではありません。入力はAIに渡す情報、出力はAIが生成する情報です。[5][6]
| 従量課金API | 入力 | 出力 | キャッシュ済み入力 |
|---|---|---|---|
| Kimi K3.1 Pro | 2ドル | 10ドル | 0.20ドル |
| Kimi K3.1 Pro Highspeed | 4ドル | 20ドル | 0.20ドル |
通常版と高速版は、入力・出力の基本単価に2倍の差があります。急ぎの対話や、結果を待ちながら何度も直す仕事では高速版を試し、夜間にまとめて処理する仕事では通常版と比較する、といった使い分けが考えられます。これは料金表から考えた選び方で、処理時間や費用の削減を保証するものではありません。
キャッシュは、繰り返し渡す共通部分を再利用する仕組みです。K3系APIでは繰り返す先頭部分に自動のキャッシュ課金が適用され、保存時間に応じた書き込み課金もあります。キャッシュ済み入力の単価だけで、総額を見積もらないこと。 入力・出力、キャッシュ書き込み、利用したツールなどの費用を分けて確認します。[6]
料金を比較するなら、同じ資料・同じ依頼で、請求対象の使用量、完成までの時間、修正の回数を記録します。長い入力を毎回送る仕事と、同じ前提を繰り返す仕事では、費用の出方も変わります。本記事では円換算や月額の総費用は試算していません。

05 導入前に確認すること
K3.1 Proを試す価値があるのは、自社の仕事で、今の道具より少ない手間で確認可能な成果物を得られる場合です。最初から広く置き換えず、対象となる仕事と合格条件を絞ると判断しやすくなります。
たとえば「公開資料から出典付き比較表を作る」を対象にし、根拠の一致、条件の抜け、修正に要した時間を見ます。通常版と高速版を比べる場合も、出す成果物と確認項目を揃えます。日本語の固有名詞や社内用語を正しく扱うかは、この試行で確かめる項目です。
最後に、選ぶ前に確認したい条件を整理します。
| 確認すること | 判断の目安 |
|---|---|
| 待ち時間を短くしたい | 高速版の速度と、料金・利用枠の増加を同じ仕事で比較する |
| 長い資料を一緒に渡したい | Kimi Codeでは上位プランの入力枠を確認する。容量と正答率を分けて見る |
| アプリへ組み込みたい | 会員契約と従量課金APIを分け、使用量とエラーを記録する |
| 自社の設備で動かしたい | 重みは11月4日までに公開予定。公開物・ライセンス・必要設備を確認してから判断する |
| 機密を扱わせたい | 契約経路の保存・利用条件、渡せる情報、実行権限、確認責任者を決める |
まず、完成形を人が確かめられる仕事で試す。 Kimi K3.1 Proの大きな入力枠や高速版を評価するなら、その順番が分かりやすい出発点になります。
出典・確認範囲
- Moonshot AI「Introducing Kimi K3.1 Pro」。モデルの位置付け、公開事例、提供経路、重みの公開予定。2026-10-24確認。能力・事例は開発元の説明で、CAGによる再現検証ではありません。
- Kimi Code「What's New」2026年10月23日。K3.1 Proシリーズの提供開始、高速版の説明。2026-10-24確認。
- Kimi Code「Model Configuration」。モデル別の入力枠、会員条件、速度と利用枠、考える処理と切り替え時の推奨。2026-10-24確認。
- Kimi Code「Membership Benefits」。新旧プラン、短時間・月間・旧プランの週間制限。2026-10-24確認。申込画面の月額料金や日本からの購入・決済は検証していません。
- 国際版 Kimi API Platform。K3.1 Pro/Highspeedの入力・出力・キャッシュ済み入力の米ドル単価。2026-10-24確認。中国向けサイトの人民元表示とは分けて扱っています。
- Kimi API「Model Inference Pricing Explanation」。従量課金と会員製品の区別、トークン、税別表示、キャッシュの書き込み課金。2026-10-24確認。請求額の実測はしていません。
- Kimi API「Kimi K3.1 Pro」。従量課金APIのモデルID。2026-10-24確認。このページの評価数値には未記入の箇所があるため、本記事はその数値を採用していません。
- Kimi Code Overview。Kimi Codeの製品形態、モデルID、対応する接続経路。2026-10-24確認。









