Grok Voice 3.0は、声を聞いて、その場で声で応答するAIモデルです。 2026年10月14日に発表され、開発者向けのVoice Agent APIで提供が始まりました。電話の一次受付や問い合わせ対応に使う場合は、モデルの料金に加えて、電話回線の接続と人へ引き継ぐ運用を用意します。[1]
日本語は公式の対応言語に含まれています。ただし、自社の商品名を正しく聞き取れるか、電話越しに自然に話せるかは別に確かめる必要があります。この記事では、2026年10月15日時点の公式資料を基に、利用する入口、課金の数え方、日本語で試す項目、電話と人への接続を整理します。CAGではモデルの実通話・応答速度・認識精度・実請求を検証していません。[4]

01 Grok Voice 3.0で変わったこと
Grok Voice 3.0は、リアルタイムの音声対話を担うモデルです。音声を文字に起こして終わる使い方に加え、相手の発言を受けて話し返し、必要に応じて外部のシステムを呼び出せます。APIとは、自社のアプリや業務システムからAIを使うための窓口です。[4]
公式発表は、顧客対応の完遂、応答の速さ、会話への割り込みや発話の間の扱いを訴求しています。掲載された評価は公式発表が紹介する試験結果で、自社の電話窓口で同じ結果が出るという保証ではありません。問い合わせ内容や回線が違えば、確認する条件も変わります。[1]
| 確認すること | 2026年10月15日時点の公式資料 |
|---|---|
| 新しいモデル名 | grok-voice-3.0 |
| 利用する窓口 | リアルタイム音声対話のAPI |
| 旧版からの移行 | APIの接続先・設定項目・イベント形式と料金は従来どおり |
| 自動で最新版を使う指定 | grok-voice-latestは3.0へ切り替え済み |
既にgrok-voice-latestを使っている場合は、設定を変更しなくても3.0で動きます。 一方、2.0のモデル名を固定している場合は切り替えが必要です。公式更新履歴では2.0を非推奨としています。既存の受付内容を使って、応答や引き継ぎが以前どおり成立するかを確認してから運用を続けます。[2][4]
CAGの「ChatGPTの音声アップロードとは──会議録音を議事録と次の作業に変える」では、録音を後から整理する使い方を紹介しました。今回扱うのは、会話が続いている間に応答する仕組みです。取りこぼした発言を後で読み直す作業と、その場で聞き返す受付では、合格とする条件も変わります。[8]
関連記事 | 録音を後から整理するChatGPTの音声アップロードとは──会議録音を議事録と次の作業に変える→
02 料金は音声時間とテキスト入力を足す
Grok Voice 3.0の音声API料金は、2026年10月15日時点で1分0.08米ドルです。これに、音声を伴わずクライアントから送るテキスト入力イベントの課金が加わります。料金表の分単価だけを見て、受付システム全体の費用と見なさないようにします。[3][7]
| APIで数える項目 | 公式の単価・課金範囲 |
|---|---|
| 音声 | 1分0.08米ドル、1時間4.80米ドル |
| テキスト入力 | 対象となる入力イベント1件につき0.004米ドル |
| ツール実行結果の返送 | function_call_outputはテキスト入力課金の対象外 |
課金される時間は、会話の設定でも変わります。相手が話し始めたかを自動で検出する標準のserver_vad設定では、接続しているセッションの時間が課金対象です。相手が資料を探している無音の時間も、接続が続いていれば含まれます。ボタンを押して話す方式では、送受信した音声の時間を数えると公式資料に説明されています。[3]
たとえば、標準設定で1件5分の接続が100件あれば、合計500分で音声分は40米ドルです。さらに、課金対象のテキスト入力が合計200件なら0.80米ドルを足し、APIのこの2項目は40.80米ドルになります。これは公式単価を使った仮定計算で、実際の請求を測った数字ではありません。[3]
電話番号・回線、接続に使うサービス、外部ツール、アプリの運用などの費用は別に確認します。見積もりでは「1件あたりの発話時間」だけでなく、「待ち時間を含む接続時間」と「どんな情報を何回送るか」を分けると、後から費用の増えた理由を調べやすくなります。
03 最初は範囲を絞った一次受付から試す
導入を設計するなら、最初の対象は説明の範囲が決まっている仕事に絞れます。たとえば営業時間やアクセスの案内、問い合わせ内容の聞き取り、担当者への取り次ぎです。以下は公式の導入実績ではなく、試す業務を選ぶための想定例です。
| 想定する仕事 | AIに任せる範囲 | 人へ渡す条件の例 |
|---|---|---|
| 営業時間・アクセス案内 | 更新された案内情報を基に回答 | 特別営業などの確認が取れない |
| 予約に関する問い合わせ | 希望日時と用件を聞き取る | 空き枠を取得できない、変更が例外に当たる |
| 商品・サービスの問い合わせ | 決めた資料の範囲で案内 | 個別見積もりや特別な約束が必要 |
| 担当者への取り次ぎ | 用件を整理して接続先を選ぶ | 相手が人との会話を希望する |
声で予約を受け付けられても、それだけで予約が確定したとは扱えません。予約台帳を参照し、実際に登録した結果を受け取り、その結果を相手へ伝えるところまでが業務です。公式のAPIは、独自の関数や外部ツールを呼び出す機能に対応しています。既存システムとの接続部分は、導入する側が用意します。[4]
返事の内容とシステムの処理結果が食い違わないよう、「登録に成功したら確定と伝える」「失敗したら折り返しの受付に切り替える」といった条件を決めます。問い合わせに答える場合も、更新日が分かる資料を渡すと、古い営業時間や料金を話す問題を調べやすくなります。
04 日本語対応は、自社の言葉と回線で確かめる
公式ガイドには、日本語とその言語コードjaが掲載されています。入力言語を自動で判定するほか、日本語に寄せる指定や、商品名などの語を聞き取りの手掛かりとして渡す設定もあります。対応言語に載っていることと、自社の受付で十分に使えることは分けて確かめます。[4]
| 試す場面 | 見るところ |
|---|---|
| 社名・商品名・人名を伝える | 誤認したまま処理せず、必要なら確認するか |
| 日付・時刻・数量を言い直す | 最初の発言と訂正後を取り違えないか |
| 説明の途中で話しかける | 相手の割り込みを受けて、会話を続けられるか |
| 雑音や聞き取りにくい音声を入れる | 推測で確定せず、聞き返しや人への切り替えができるか |
たとえば「金曜の3時、やっぱり4時」と言い直したときは、最終的な希望時刻を復唱するところまで見ます。商品名を一度聞き取れたという結果だけで、予約変更や苦情対応まで任せる判断はできません。実際に使う電話回線と、よくある問い合わせの組み合わせで確認します。
導入前の試験では、会話が自然だったかに加え、記録された用件、処理結果、引き継ぎ先を照合します。同じ問い合わせを複数回試し、言い直しや接続失敗も含めて記録すると、何が未解決かを残せます。この記事では、その日本語試験や通話デモを実施したとは扱っていません。
05 電話につなぎ、人へ引き継ぐ仕組みを用意する
電話の受付にするには、AIモデルのほかに電話をつなぐ経路が要ります。公式資料は、電話交換機や回線事業者から、SIPという通話接続の仕組みを使って音声セッションへ接続する方法を案内しています。SIPは、電話をどこへつなぐかをやり取りするための決まりです。[5]
| 用意するもの | 役割 |
|---|---|
| 電話番号と回線 | 顧客からの電話を受ける入口 |
| SIP接続と着信を受けるアプリ | 着信をAIの会話へつなぎ、開始や終了を管理する |
| 業務システムへの接続 | 案内資料や予約情報を取得し、結果を返す |
| 人への転送先・不在時の受付 | AIで完了できない用件を引き取る |
公式のSIP資料では、利用者が持つ電話番号を登録する方式が示され、APIから電話番号を新規調達する機能は対応していないと説明されています。モデルを選ぶ操作と、自社の番号が使えるかの確認は、それぞれ必要です。[5]
人への引き継ぎには、別の電話番号やSIPの接続先へ転送する機能を使えます。ただし、転送を要求したことと、人が応答したことは別の状態です。公式資料も転送先の応答結果を扱う仕組みを説明しています。不応答なら折り返し依頼を残すなど、次の動きを用意します。[5]
指示文には、答えてよい範囲と、人へ渡す条件を具体的に書きます。公式の指示文ガイドも、担当範囲、会話の流れ、引き継ぎ条件を分ける構成を勧めています。導入案としては、最初にAIであることを伝え、人を希望されたら切り替え、引き継ぐ要約には必要な用件と処理結果を残す、といった運用が考えられます。[6]
06 導入前に、受け付けた後の出口を決める
Grok Voice 3.0を使う計画では、利用する入口、課金、日本語での受付、業務への接続、人への引き継ぎを並べて確認できます。次の表は、導入を判断する前にそろえておきたい記録です。実際の試験結果に応じて、任せる範囲を広げます。
| 確認すること | 残しておくもの |
|---|---|
| 何を受け付けるか | AIが完了してよい用件と、担当外の用件 |
| どのモデルで動くか | 固定したモデル名か、自動更新される指定か |
| いくらかかるか | 接続時間・テキスト入力・回線などを分けた費用 |
| 日本語で成立するか | 言い直し・固有名詞・雑音を含む通話試験の結果 |
| 本当に処理できたか | 業務システムの成功・失敗と、相手へ伝えた内容 |
| 人に届くか | 転送の応答結果と、不在時に残る折り返し依頼 |
最初は一つの用件で、受付から終了までを通して確かめます。AIが返事をした後に、台帳が更新されたか、担当者に用件が届いたかまで見れば、導入を判断する材料になります。モデルの能力に加えて、その用件が最後にどう片付いたかを確認する進め方です。

出典・確認範囲
- SpaceXSI「Introducing Grok Voice 3.0」。発表日2026-10-14。提供開始・公式が訴求する改善点を確認。掲載評価は同社発表に基づき、CAGの測定ではない。2026-10-15取得。
- 公式API更新履歴。October 14のGrok Voice 3.0提供開始と2.0非推奨、latest指定の切り替えを確認。2026-10-15取得。
- Speech to Speech Pricing and Rate Limits。音声0.08米ドル/分、テキスト入力0.004米ドル/イベント、除外されるイベント、標準設定とボタン式の時間課金の違いを確認。本文の500分・200件・40.80米ドルは公式単価によるCAGの仮定計算。2026-10-15取得。
- 公式Speech to Speechガイド。モデル指定・移行、対応言語のJapanese/ja、言語の手掛かりと固有語の設定、外部ツールとの接続を確認。2026-10-15取得。
- 公式SIP Phone Callsガイド。持ち込み番号の登録、回線事業者からの接続、電話番号の調達に関する制約、referによる転送と応答結果を確認。2026-10-15取得。
- 公式Prompting Guide。指示文の担当範囲・会話の流れ・人へ引き継ぐ条件を確認。業務例と導入チェックは、これらの資料を基にしたCAGの設計提案で、実装・実通話の検証結果ではない。2026-10-15取得。
- 公式API料金表。Voice APIの音声単価とテキスト入力課金を照合。回線・他サービス等を含む総費用の見積もりではない。2026-10-15取得。
- CAG「ChatGPTの音声アップロードとは──会議録音を議事録と次の作業に変える」。録音を後から整理する使い方の関連記事。2026-10-15取得。









