GPT-Live-1.1は、ChatGPTの音声対話を担うモデルの更新版です。 OpenAIは2026年10月15日、日本語を含む話し方の改善と新しい声を発表しました。日本語の声には「ひまり」と「りんどう」が加わっています。[1][2]
仕事で使うなら、説明の練習や企画の相談など、話しながら考えを整理する用途から始められます。この記事では、更新点、新しい声の設定、利用場面、音声モードの違い、料金・データ設定を整理します。情報は2026年10月18日時点の公式資料に基づきます。CAGでは今回の音声の自然さ・聞き取り精度・応答速度を実測していません。

01 GPT-Live-1.1で変わったこと
GPT-Liveは、音声で会話する部分を担当するモデルです。今回の通常版はGPT-Live-1の後継、軽量版のGPT-Live-1.1 QuipはGPT-Live-1 miniの後継に当たります。公式のモデル説明は、Plus以上で通常版、それ以外ではQuipを既定としています。[3]
| 項目 | 2026年10月18日時点の公式説明 |
|---|---|
| 話し方 | 日本語を含む複数の言語でアクセントを改善 |
| 声の選択肢 | 日本語などに新しいLive用の声を追加 |
| 検索中の応答 | 調べていることを伝える短い表現を増やした |
| モデルの種類 | GPT-Live-1.1と、軽量版のGPT-Live-1.1 Quip |
| 従来からの仕組み | 相手の発話を聞きながら応答する音声対話 |
聞きながら話せること自体は、1.1で初めて加わった機能ではありません。 OpenAIは、従来版と同じく、会話の区切りを待つだけでなく、間や割り込みに対応する仕組みだと説明しています。新しい声、今回の改善、以前からある機能を分けて見ると、更新の範囲が分かります。[1][3]
音声モデルの更新は、業務上の回答が必ず正しくなるという保証ではありません。聞き取りやすさと、内容が資料に合っているかは別々に確認します。公式の告知は改善を伝えていますが、本記事では「日本語の誤認識が何割減った」といった未確認の数字には置き換えていません。[4]
02 日本語の新しい声と話し方を選ぶ
Liveに追加された日本語の声は、Himari(ひまり)とRindō(りんどう)です。設定の「Voice」から声を選べます。表示される選択肢は地域やアカウントで異なるため、自分の画面に出ているものを確認します。[2]
| 調整したいこと | 公式に案内されている方法 |
|---|---|
| 声を選ぶ | Settings → Voice → Voice |
| 主に話す言語を設定する | Settings → Voice → Language |
| 口調や話すペースを変える | 会話の中で具体的に依頼する |
| 会話の途中で声を変更する | 同じチャット内で新しい音声通話が始まる |
たとえば「日本語で、一度に一つだけ質問してください」「専門用語は短く説明してください」と頼めます。これは使い方の例で、CAGが今回のモデルで効果を測った結果ではありません。最初から長い依頼を渡すより、返答を聞いて条件を足すと、どんな話し方を求めているか伝えやすくなります。
公式ヘルプは、LiveにはChatGPTの既定のパーソナリティー設定が適用されず、個別の会話で口調やペースを頼めると説明しています。速く・遅く話すよう依頼できますが、再生速度を数値で指定する専用の操作はありません。[2]
03 仕事では相談・練習・要件整理に使う
業務で使うときは、音声で進めたい作業の出口を先に決めます。「相談に乗って」だけでなく、「最後に候補を比較表にする」「質問が済んだら依頼文を作る」と伝える方法があります。以下は架空の業務を使った活用案です。
| 場面 | 依頼の例 | 最後に確かめるもの |
|---|---|---|
| 企画の壁打ち | 架空の新サービス案について、対象者と困りごとを質問して | 想定する顧客と、未確認の仮説 |
| 営業説明の練習 | 架空の商品の説明を聞いて、分かりにくい点を質問して | 説明が長い箇所、根拠のない約束 |
| 発注前の要件整理 | 小さなWebサイトを作りたい。目的から一つずつ聞いて | 必要なページ、素材、決めていないこと |
声で答えながら考えを足せるので、最初から整った依頼文を用意しなくても相談を始められます。営業の練習なら「相手役として聞いて、私が終わりと言うまで講評を待って」といった進め方も考えられます。ただし、長い間や周囲の声によって応答する場合は残ると公式は説明しています。[2]
Liveは主に一対一の会話を想定しています。複数の人が同時に話す会議の記録係として、そのまま置き換える使い方には向き不向きがあります。別の人同士の会話に応答することもあるため、用途に応じて音声対話と録音の処理を選びます。[2]
CAGでは、音声の会話部分と検索・推論の関係を別記事で解説しています。[7] 今回の焦点は、ChatGPTの利用者が何を設定し、どのように会話を進めるかです。
04 音声対話を始めてテキストで確認する
Web版ではChatGPTの入力欄にある音声のアイコンから開始します。iOS・Androidでもメッセージ欄の音声アイコンを選び、必要に応じてマイクへのアクセスを許可します。初回には声の選択が表示される場合があります。[2]
| 手順 | 操作・依頼 | 確認すること |
|---|---|---|
| 設定する | Voiceで利用できる音声モード・声・言語を選ぶ | Liveが表示されるか、希望する声があるか |
| 会話を始める | 音声アイコンを開き、作業の目的と終了条件を伝える | 固有名詞や日付を正しく受け取ったか |
| 条件を直す | 「今の条件を変更して」と話して訂正する | 訂正後の条件が返答に反映されたか |
| 内容を見直す | 通話を終え、同じチャットのテキストを読む | 数字・根拠・未決事項・下書きの内容 |
話している途中に訂正できても、訂正が正しく反映されたかは返答で確かめます。 架空の商品を例にするなら、「対象は個人ではなく法人です」と変更し、最後の依頼文にもその条件が残っているかを見ます。これが、単に会話が滑らかだったことと、仕事の下準備ができたことを分ける確認になります。
Liveでは音声と同じチャットで文字や画像を扱えます。話しにくい内容を文字で補い、前のやり取りを読み返すこともできます。アカウントによって使える機能は異なります。[2]
つないだアプリを使う場合も、普段の権限と組織の制限が適用されます。Web・モバイルで承認が必要な操作は画面で確認し、画面の操作で承認・拒否します。声で「許可する」と答える方法は対応していません。[2]
05 Live・Advanced・Standardを使い分ける
設定に表示される音声モードは、プラン、ワークスペース、地域、アプリの版などで変わります。2026年10月18日時点の公式ガイドでは、Live、Advanced、Standardを区別しています。[2]
| 方法 | 向いている用途・特徴 | 確認したい制約 |
|---|---|---|
| Live | 自然なやり取り、途中の訂正、対応する検索やアプリの利用 | 動画・画面共有には非対応 |
| Advanced | 従来のリアルタイム音声。対応するモバイル機能の利用 | 動画・画面共有は対象の契約・端末で確認 |
| Standard | 発話を文字に起こしてから応答する、順番型の音声対話 | 会話の進み方はLiveと異なる |
| 音声ファイルのアップロード | 録音済みの会議・インタビューなどの整理 | リアルタイムの音声対話とは別の機能 |
スマホの画面を見せながら相談したいなら、Liveを選べばよいとは限りません。公式は、対象のiOS・Androidアプリで動画・画面共有を使う場合、Advancedを選ぶ手順を案内しています。[2]
CAGの「ChatGPTの音声アップロードとは──会議録音を議事録と次の作業に変える」では、録音済みの音声から議事録を作る流れを紹介しています。[8] 録音を後から整理したいのか、今この場で相談したいのかを分けると、入口を選びやすくなります。
関連記事 | 録音から議事録を作るChatGPTの音声アップロードとは──会議録音を議事録と次の作業に変える→
06 利用前に料金・上限・データ設定を見る
音声の利用枠は、使う場所によって確認先が変わります。次の表はChatモードのLiveについて、2026年10月18日時点の公式ガイドにある利用枠です。固定の暦日ではなく、直近24時間の枠として計測されます。[2]
| プラン | ChatでのLive利用枠 | モデル |
|---|---|---|
| Free | 制限付き。上限は変更される場合あり | GPT-Live-1.1 Quip |
| Go | 3時間 | GPT-Live-1.1 Quip |
| Plus | 3時間 | GPT-Live-1.1 |
| Pro(月額100米ドル) | 15時間 | GPT-Live-1.1 |
| Pro(月額200米ドル) | 無制限。ただし不正利用防止の制限あり | GPT-Live-1.1 |
この表をWorkやデスクトップの音声利用全体の料金表としては使えません。Web・モバイルのWorkでは音声の利用枠に加え、実行する仕事も通常のWork利用に数えられます。デスクトップの音声には別の料金・上限の案内があります。業務アカウントでは契約と管理者設定も確認します。[2]
データの扱いでは、音声データと文字起こしを分けて見ます。公式は、Live・Advancedの音声クリップをチャット履歴の文字起こしに関連付けて保存し、30日間保持すると説明しています。音声そのものの学習への共有と、文字起こしなどのモデル改善への利用には、それぞれ設定があります。[2]
個人向けプランでは「Improve the model for everyone」をオフにすると、新しい会話はモデルの学習に使われなくなります。履歴を消す操作とは別です。ただし、回答への評価フィードバックを自分で送った場合、その会話が学習に使われることがあります。Business・Enterpriseなどの業務向けサービスは、既定では入力・出力を学習に使わないと公式は説明しています。会社の保存・アクセス方針と合わせて確認します。[5][6]
最初は外部に出してよい架空の題材を選び、目的を伝えて話し、訂正を加え、最後のテキストを見直す。この流れなら、声の好みだけでなく、自分の相談や下準備に合うかを確かめられます。自然に聞こえた回答でも、日付・金額・相手への約束は資料に照らして確認してから使います。

出典・確認範囲
- OpenAI「ChatGPT release notes」。2026-10-15のGPT-Live-1.1更新。言語ごとの話し方、新しい声、検索中の表現を確認。2026-10-18取得。
- OpenAI「ChatGPT Voice」。声・言語・モード設定、ひまり・りんどう、用途別の対応範囲、直近24時間のChat利用枠、WorkとDesktopの違い、データ設定を確認。仕様は2026-10-18時点。CAGでは今回の音声・速度・精度を実測していない。
- OpenAI「GPT-Live-1.1 system card」。2026-10-15公開。前世代との関係、通常版・Quip、従来からの同時の聞き取りと応答を確認。2026-10-18取得。
- OpenAI公式告知「GPT-Live-1.1 is rolling out with new voices and better accents」。2026-10-15の告知本文を参照。利用者の返信をOpenAIの見解やCAGの検証結果としては扱わない。2026-10-18取得。
- OpenAI「Data controls in ChatGPT」。モデル改善の設定、履歴との違い、業務ワークスペースの既定を確認。2026-10-18取得。
- OpenAI「How your data is used to improve model performance」。個人向け・業務向けのモデル改善への利用と設定の違いを確認。2026-10-18取得。
- CAG「GPT-Live-1のAPI公開を扱った記事」。音声部分と検索・推論を分ける構成や、自社のアプリに組み込む場合の説明を参照。2026-10-18取得。
- CAG「ChatGPTの音声アップロードとは──会議録音を議事録と次の作業に変える」。録音済みのファイルを扱う関連記事。今回のGPT-Live-1.1の実機検証ではない。2026-10-18取得。









