GitHub Copilotに​9月から​効く​3つの​変更 ──前払い課金・チャット保持・レビュー既定が、​そろって​増える​向きに

GitHubが8月28日、Copilotについて3つの変更を予告しました。座席は前払いになり、チャット履歴の保存は28日からアカウント存続中へ延び、コードレビューの既定は深いほうへ移ります。9月1日・9月28日・10月1日という期限と、手を打てる場所を公式の記述から整理しました。

甲斐ショウジ甲斐ショウジ
CAG主宰/合同会社ATK CAIO(最高AI責任者)
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技術GitHub Copilotに9月から効く3つの変更 ──前払い課金・チャット保持・レビュー既定が、そろって増える向きに

2026年8月28日、GitHubがCopilotについて3つの変更を予告した[1]。座席の課金方法、チャット履歴の保存期間、コードレビューの既定値——担当している面はばらばらだが、3つとも「増える」向きで、しかも9月1日・9月28日・10月1日と期限が付いている

いちばん見落としやすいのは真ん中だ。github.com とモバイルのCopilotチャットが統合される結果、チャット履歴の保存期間が28日から「アカウントが存続する限り」に変わる。統合は既定で有効で、断ると github.com とモバイルでCopilotが使えなくなる[1]

この記事で扱うのは4つ。①いつ何が変わるのか ②座席の前払いで何が起きるのか ③チャットが消えなくなるとはどういうことか ④レビューの既定変更で費用がどう動くのか。最後に、この夏の一連の変更に共通する形も書いておく。

座席の一覧で下2件だけ未払いの印が付き、右の請求カードへ線でつながっている管理画面
座席を割り当てた瞬間ではなく、支払いが済んでから使えるようになる。運用の順番が変わる(イメージ)

01 いつ、​何が​変わるのか──3つの​期限

日付変わること誰に効くか
9月1日新規のCopilot Business/Enterpriseで、座席は支払い後に利用可能に。クレジットカードとPayPal払いの新規受付が再開されるこれから契約する組織
9月28日
(以降)
github.com・モバイルのチャットと cloud agent が1つの体験・1つのポリシーに統合チャット履歴の保存が28日→アカウント存続中ずっとすでに使っている全組織
9月28日コードレビューの既定値がLite から Balanced へコードレビューを使っている組織
10月1日既存のクレジットカード/PayPal顧客も、座席の前払い課金へすでに契約している組織

価格そのものは変わらないと明記されている[1]。動くのは支払いの順番既定値だ。どちらも請求書の数字が変わるまで気づきにくい種類の変更になる。

THREE DATES 9月1日 新規は支払い後に 座席が使える 9月28日 チャットが統合され保存が延びる レビューの既定が深くなる 10月1日 既存契約も 前払いへ ※ 9月28日の2件は「これ以降」と告知されており、実際の適用日は組織ごとに前後しうる
3つの期限のうち、手を打てるのは9月28日の前だけ。前払いのほうは日付が来たら自動的に切り替わる

02 座席は、​払ってから​使う​──取り消しても​戻らない

これまでは座席を割り当ててから請求が回る形だった。9月1日以降の新規契約では、座席ごとに支払いが済むまで利用者はCopilotを使えない。既存のクレジットカード/PayPal顧客にも、10月1日から前払いが適用される[1]

細かいが効いてくる条件が2つある。

条件内容
返金座席を取り消しても日割りの返金はない。削除は次の請求サイクルに反映される
含まれる利用量座席料金の日割りに合わせて、月の途中から使い始めた場合は含まれる利用量も按分されることがある

つまり「とりあえず全員に配って、使わない人は後で外す」という運用のコストが上がる。月の途中で入れた人は、その月に使える枠も比例して減る可能性がある。人数の見積もりを月初にそろえる、という当たり前の運用が、これまでより効いてくる。

なお、いったん完全に解約して戻ってくると、審査と課金の扱いが最新のものに切り替わるとも書かれている[1]。「一度やめて様子を見る」は、戻るときの条件が変わる点を含めて判断したほうがいい。

03 チャットが​消えなくなる​──28日から、​アカウントが​続く​限りへ

3つのうち、社内への説明がいちばん必要なのがこれだ。9月28日以降、github.com のCopilotチャット・モバイルのチャット・cloud agent が1つの体験に統合される。その際、github.com のCopilotは cloud agent と同じ「エージェントのセッション」の仕組みに移行する。結果として——

チャットのデータは28日ではなく、アカウントが存続する限り保持されるようになる。これは既存の Copilot cloud agent の挙動にそろえるもの。

GitHub Changelog(2026年8月28日)の記述を要約[1]

ここで押さえるべきは3点だ。①統合された体験は既定で有効になる ②断ることはできるが、断ると github.com とモバイルでCopilotが使えなくなる ③管理者は9月28日より前にポリシーを確認するようGitHubが求めている[1]。実質的に、使い続けるなら保存期間の延長も受け入れるという形になっている。

HOW LONG CHAT STAYS これまで 28日 ここで消えていた 9月28日以降 アカウントが存続する限り 統合は既定で有効。断ると github.com とモバイルでCopilotが使えなくなる
保存期間が延びるのは、cloud agent の仕組みに寄せた結果。長さの比は模式(アカウントの存続期間に決まった値はない)

コンプライアンスの観点では、これは証拠として残る期間が延びることを意味する。監査に必要なら好都合だが、「28日で消えるつもりで話していた内容」が残ることにもなる。先週扱ったAnthropic側の記録の話と、向きは同じだ。

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04 レビューの​既定が、​深い​ほう​へ​──消費が​増えると​明記されている

3つ目は、昨日扱ったコードレビューの続きだ。9月28日から、レビューの深さの既定値が「Lite」から「Balanced」に変わる[1]。公式ドキュメントは、2つの違いをこう説明している[2]

深さ中身費用への影響
Lite
(現在の既定)
標準のレビュー。バグ・脆弱性・書き方の不統一といったよくある問題に、速く的を絞って返す
Balanced
(9/28からの既定)
より推論の強いモデルに回し、複雑なロジック・セキュリティに関わるコード・サービスをまたぐ変更を長く分析するAIクレジットをより多く使い、GitHub Actionsの分もわずかに多く消費しうる
Default・Lite・Balancedの3つの選択肢が並び、DefaultからBalancedへ矢印が引かれた設定画面
「Default」のままにしておくと、9月28日に中身がBalancedへ移る。Liteを続けたいなら明示的に選び直す(イメージ)

ここにひとつだけ手が打てる場所がある。GitHubは、Liteのままにしたい場合は9月28日より前に「Default」から離して明示的にLiteを選べば、その選択は尊重されると書いている[1]。逆に言えば、「Default」のまま置いておくと中身が入れ替わる

Copilotコードレビューの記事のサムネイル 関連記事 | レビューそのものの話AIが書いたコードを、AIがレビューする ──GitHubがレビューの上限を外した日と、誰の権限とお金で回るのか

05 共通しているのは​「選んでいない​項目が​動く」──この​夏、​何度も​同じ形で​来た

今回の3件を並べると、8月に見てきた他の変更と同じ形が出てくる。明示的に選んでいない設定が、期日に自動で動くという形だ。

いつ変更未設定のものはどうなるか
8月26日GitHubのモデルポリシー未設定のモデルは使える側に開く(既定に追随)
8月28日
(今回)
コードレビューの深さ「Default」のままならBalancedに移る
8月28日
(今回)
チャットの統合何もしなければ統合され、保存期間が延びる

どれも「勝手に悪くなる」類の話ではない。ベンダー側が良いと考えるほうへ既定を寄せているだけだ。ただ、良し悪しを決めるのは使う側の事情のほうで、費用の見通しや、社内の記録に関する説明は、こちらの都合で決まっている。「決めていない」は、この夏のあいだ何度も「相手の既定に従う」と同じ意味になっている。

06 まとめ──9月28日までに​やる​こと

  • レビューの深さを決める。 深くしたいならそのままでよい。費用を抑えたいなら、9月28日より前に「Default」から「Lite」へ明示的に切り替える[1]
  • チャットの保存について社内に伝える。 28日で消える前提で使っていたなら、その前提は9月28日以降なくなる。統合を断る選択肢はあるが、断ると使えなくなることも含めて共有する[1]
  • 座席の棚卸しを月初に寄せる。 前払いになり、取り消しても日割り返金はない。月の途中の増減は、これまでより高くつく[1]
  • 支払い方法を確認する。 今回の前払いはクレジットカードとPayPalの顧客が対象として書かれている。請求書払いの契約とは条件が違う[1]

AIツールの契約は、いま「値上げ」ではない形で条件が動く局面に入っている。価格表を見比べても差は出ない。動いているのは支払いの順番、記録の長さ、そして既定値のほうだ。年に一度の見直しではなく、四半期に一度は既定値を見に行くくらいの頻度が要る。

脚注・出典

  1. GitHub Changelog「Upcoming changes to GitHub Copilot policies and billing」2026年8月28日(9月1日からの新規サインアップ再開と座席の前払い、既存のクレジットカード/PayPal顧客は10月1日から、取り消しの日割り返金なし、含まれる利用量の按分、価格は据え置き、9月28日以降のチャット統合と保存期間の変更=28日からアカウント存続中へ、統合は既定で有効・オプトアウトすると github.com とモバイルで利用不可、コードレビューの既定が9月28日から Lite → Balanced・明示的にLiteを選べば維持される)/github.blog/changelog/2026-08-28-upcoming-changes-to-github-copilot-policies-and-billing/
  2. GitHub Docs「Copilot code review」Review effort level 節(Lite=よくある問題への速く的を絞ったフィードバック/Balanced=より高い推論のモデルに回して複雑なロジックやセキュリティに関わるコードを長く分析し、AIクレジットをより多く使い、GitHub Actionsの分もわずかに多く消費しうる)/docs.github.com/en/copilot/concepts/code-review/code-review
  3. 本記事はCAGによる変更履歴と公式ドキュメントの読み解きで、実機検証は行っていない(Copilot BusinessまたはEnterpriseの管理者権限が必要なため)。掲載した内容は2026年8月29日時点の記述に基づく予告であり、適用日や条件は変わりうる。図中の保存期間の帯は長さの比を示す模式表現で、「アカウントが存続する限り」に決まった長さはない。

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